香の調べ

印香作りをしました。

印香とは、調合した原料を布海苔または椨子、支那粉などを加えて、ひとまとめにしたものを、小さな型抜きで抜いたものです。 練香と同じく間接熱で楽しみます。

明治天皇がご即位なさった時には、紅葉の型に印香がたかれたそうです。

作り方の手順は、
沈香 白檀 丁子 桂皮 龍脳 貝甲香 椨子を入れてかき混ぜ合わせます。

良く混ざったら水を入れて、ぼそぼそ感がなくなり、しっとり手でつかめる
までよく練り合わせ、ひとまとめになってからは手でこねます。

時間がたつにつれ、柔らかくなりゴムのような弾力があり、椨子は、椨子だけでなく、粘力が強い支那粉の割合が高いか、あるいは、他に何か入っているように感じました。 

粘土状の素材は、薄く伸ばすための練り棒にペタッっとくっついてしまい、椨子をつけて蕎麦を打つように伸ばした後に、季節の型抜きで抜いたところの写真です。


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すっきり抜けて奇麗な印香が出来上がりました。 成型のしやすさ、出来上がりの滑らかさは、椨の粘着力がポイントです。

椨子は香舗の社外秘の調合によって作られているため、原料は販売しても椨子の販売は不可とのこと。
そこが知りたいところですが、老香舗の秘事口伝の壁は堅いです。


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ところで、香原料を固めてくれる椨は、万葉集の時代にはつままの木と呼ばれ、神々しいと歌われていた木です。 現在は国内ではまかなえず、インドネシア産が使われています。 

万葉集には一首だけ読まれています。

礒の上のつままを見れば根を延へて年深からし神さびにけり  
 
 大伴家持

都萬麻(つまま)は、クスノキ科タブノキ属の常緑高木の椨(たぶのき)のことです。
本州・四国・九州・沖縄などの沿岸で見る事ができます。高さは、30メートルくらいまでのものもあります。都内では浜離宮園内にたくさん見る事ができます。
葉には光沢があります。5~6月頃に枝先に淡い黄緑色の花が咲きます。 
緑濃い葉を噛んでみると、ねばねばして、粘着力の威力を感じさせてくれます。
保水力が強いため、江戸時代には火事に強いということで建材に多用されたということです。

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写真は藤沢の慈眼寺 の椨の木です。モチノキ4 タブノキ3 スダジイ1の寄木になっています。
樹齢は300年と言われ、太さは10mも。 まさに、神々しい姿でした。


さて、もちかえった印香は5日ほど乾燥の後に、灰と墨で焚きます。
 
常温でも白檀の香りがたち、見た目に愛らしい印香の焚いた時の香りが楽しみです。


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